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変わりたいのに動きが止まる人へ。まず知っておきたいこと
「よし、新しい自分に生まれ変わるぞ」と決意して、資格の勉強を始めたり、新しい習慣に挑戦しようとする。
それなのに、いざ行動を起こそうとすると、なぜか体が重くなったり、急に他の用事を思い出して後回しにしてしまう。
そんな自分に心当たりはありませんか。
やる気はあるはずなのに、どうしても一歩が踏み出せないとき、私たちは「自分には継続力がない」「なんて怠け者なんだろう」と、自分自身を責めてしまいがちです。
けれど、本当はそうではありません。
これは、車で言うなら「アクセルを強く踏み込みながら、同時にサイドブレーキを全力で引いている」ような状態なのです。
いくらアクセルを踏んでも、ブレーキがかかったままでは車は前に進めず、ただタイヤから煙が上がってエンジンに負荷がかかるだけですね。
あなたが動けなくなっているのは、決して怠けているからではなく、心の中の強いブレーキがあなたを守ろうと一生懸命に働いているからなのです。
私は、こうしたときに必要なのは、もっとアクセルを踏み込むような気合いではなく、まずはサイドブレーキをそっと緩めてあげることだと思っています。
そこから、驚くほど自然に、足元が軽やかに動き始めます。
変化への見えないリスクを感じ取って、心が自動的にブレーキを踏み込んでしまう
変わりたいのに動きが止まるとき、私たちは無意識のうちに、変化することへの「見えないリスク」を察知しています。
もし新しい挑戦をして失敗したら、周りから格好悪いと思われるかもしれない。
今の慣れ親しんだ生活パターンや、居心地の良い人間関係が壊れてしまうかもしれない。
こうした不安や恐怖が、私たちの心の中で「防衛ブレーキ」として作動するのです。
私たちの心には、現在の状態を維持しようとする強力な本能があります。
だからこそ、変わりたいという意志の力よりも、変わりたくないという無意識の反応の方が、先にかつ強力に動いてしまうのですね。
このブレーキの正体を見ないまま、「もっと頑張れ」と自分のお尻を叩き続けても、心はますます警戒を強めて、さらに強いブレーキをかけてしまいます。
大切なのは、動きを止めているブレーキが、実はあなたを失敗や傷つきから守ろうとしてくれている優しい防衛策なのだと、まずは理解してあげることです。
自分のブレーキは、ひとりでは見えにくい場所に隠れています
自分を止めているブレーキの存在は、アクセルを踏むことに必死になっているときほど、見えなくなってしまいます。
「早く成果を出さなければ」と前ばかり見ていると、足元で何が引っかかっているのかに気づくことができません。
例えば、「自分を変えて自立したい」と願いながらも、心の奥底では「自立してしまったら、誰も私を助けてくれなくなるのではないか」という孤独への恐怖がブレーキになっていることもあります。
このような複雑な心の絡まりは、一人で考えていると、ただの「やる気のなさ」として片付けられてしまいがちです。
だからこそ、誰かにその様子を客観的に見てもらうことがとても役に立ちます。
信頼できるパートナーに、「変わりたいけれど、なんだか体が動かないんだよね」と素直に話してみる。
相手が「それって、もしかしたら何かを怖がっているのかもね」と優しく声をかけてくれるだけで、「そうか、私は失敗するのが本当に怖かったんだ」と、隠れていたブレーキのペダルに気づくことができます。
見えないブレーキが見える化されるだけで、心にかかっていた異常な緊張は、少しずつ解けていくのです。
心のブレーキから整えるために、今日できること
ブレーキを整えるために、まずはアクセルを踏み込もうとする足を一度、休ませてあげましょう。
指示されたことをこなすのをお休みして、今の自分にこう問いかけてみてください。
「もし、このまま変わらずに今の場所にいたら、どんな良いことがあるだろう」
変わらないことのメリットを考えてみるのです。
「傷つかなくて済む」「今のままなら安全でいられる」といった、あなたの心が大切に守りたがっている価値が浮かび上がってくるはずです。
その声を、「そっか、守ってくれようとしていたんだね」と、否定せずに受け止めてあげてください。
そのうえで、今日は変化のための大きな一歩ではなく、ブレーキをかけた状態のままでもできる、本当に小さな準備だけをしてみましょう。
関連する本を机の上に置いておくだけにする。
やりたいことについて調べる時間を、スマートフォンで三分だけ作ってみる。
その程度の、変化とは言えないくらいの小さな行動で十分です。
心が「このくらいなら怖くないな」と安心したとき、ブレーキは自然と緩み始めます。
変わることは、無理に自分を引っ張っていくことではありません
変わりたいのに動けないという悩みから抜けていく道は、自分を無理やり鼓舞して、嫌がる心を引きずり回すことではありません。
変わりたくないと怯えている自分自身の気持ちに寄り添い、安心できる土台を一緒に作っていくことです。
アクセルを踏む自分も、ブレーキをかける自分も、どちらもあなたを守り、良くしようとしてくれている大切な存在です。
両方の言い分を丁寧に聞き、お互いが納得できるような小さな一歩を探していく。
この優しい対話のプロセス自体が、自分自身を深く信頼する力を育ててくれます。
変わりたいのに動きが止まってしまうあなたが、もう一度歩き出すための準備は、急ぐ必要はありません。
まずは、サイドブレーキを握りしめている自分の手を、優しくさすってあげることから始めてみませんか。