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悪くないはずなのに、口から勝手に出てしまう「すみません」
カフェで注文をしたとき、店員さんが聞き間違えただけなのに、なぜか「あ、すみません!」とこちらが謝ってしまったり、狭い通路で人とすれ違う際、相手がぶつかりそうになっただけで反射的に「ごめんなさい!」と言ってしまったりすることはありませんか。
自分が悪いことをしたわけではないのに、その場の空気が少しでも気まずくなったり、相手が困ったような表情をしたりすると、自動的に言葉が出てきてしまう。そしてあとから一人になったときに、「私、何も悪いことをしていないのに、どうしてあんなに頭を下げてしまったんだろう」と、自分自身に対して情けなさや自己嫌悪を感じてしまうこともあります。
このような反射的な謝罪は、日常のささやかな瞬間に起こりますが、繰り返すたびに自分の立場や気持ちを少しずつ小さく扱ってしまう原因になります。
過敏に反応してアラームを鳴らす防犯センサーのように
悪くないのにすぐに謝ってしまうのは、あなたが決して臆病で卑屈な人だからではありません。それは、周囲の緊張感や他人の不機嫌を人一倍敏感に察知し、その場の空気が悪くなるのを未然に防ごうとする心の防衛反応です。
まるで、少し風が吹いただけで「不審者が来たかもしれない」と反応し、大音量で警告音を鳴らして相手をなだめようとする、とても感度の良い防犯アラームのような状態と言えます。
「私が先に謝っておけば、この場は丸く収まる」「怒られる前に謝っておけば、相手もそれ以上責めてこない」という、過去の経験から学んだ無意識の安全策が、今もあなたの口元を動かしているのかもしれません。
謝ることは、相手の不機嫌をすべて背負い込むこと
しかし、何でも自分のせいにする形で「すみません」を繰り返していると、心は次第に疲弊していきます。
誰かの不機嫌や、話が途切れた沈黙、気まずい空気の責任をすべて一人で背負い込むことになり、自分が本来持つべきではない「他人の責任」まで引き受けてしまうからです。
人間関係を守るために自分を下げ続けることは、長期的にはあなた自身の自信をすり減らし、対等な関係を築くことを難しくしてしまいます。
「すみません」を「ありがとう」に変えてみるステップ
この謝りすぎる癖を少しずつ手放していくために、まずは「すみません」という言葉を、別の言葉に置き換えてみる練習をしてみませんか。
次に何かがあったとき、反射的に「すみません」と言いそうになったら、その言葉を喉の奥で一度だけグッと飲み込んでみてください。そして、その場面が「感謝を伝えられる場面」であるかを確認します。
たとえば、エレベーターで扉を開けて待っていてくれた人に対して、「すみません」ではなく「ありがとうございます」と笑顔で伝えてみる。あるいは、資料の間違いを指摘してもらったときに、「すみません」ではなく「教えていただき、ありがとうございます」と返してみるのです。
もし感謝に置き換えられない場面であれば、言葉を発せずに、ただ小さく小さくコクリと会釈をするだけに留めてみるのも良い方法です。
自分を過剰に下げることなく、相手と心地よい距離感で関わるための新しい選択肢を、少しずつ増やしていきませんか。