Views: 0

大切にされるほど、不安が強くなることがある
パートナーや身近な人から「いつもありがとう」と素敵なプレゼントをもらったり、とても優しい言葉をかけてもらったりしたとき。心から喜べばいいはずの場面なのに、なぜか胸の奥がざわざわと不安でいっぱいになってしまうことはありませんか。
「どうせこんなに優しいのは最初だけじゃないか」「私の本当にダメな部分を知ったら、この人は離れていってしまうのではないか」そんな思いが頭をよぎり、わざと冷たい態度を取ってしまったり、「私のこと本当に好き?」と何度も試すような質問をぶつけて、相手の困った顔を見て安心しようとする。そんな自分に嫌気がさしながらも、どうしても止められないと悩む人はとても多いです。
自分でもこんなことはしたくないと思っているのに、心のブレーキが効かなくなってしまう。その葛藤は、誰にも言えずにとても孤独なものになりますね。
試したくなるのは、信じたい気持ちと怖い気持ちが同時にあるから
相手の愛情を確かめたくなってしまうのは、あなたがわがままであったり、相手を困らせたいからではありません。本当は誰よりも相手を信じたいという願いと、信じた後に裏切られて深く傷つくのが怖いという恐れが、心のなかで同時にせめぎ合っているからです。
まるで、目の前にある頑丈そうな堤防に、わざと何度も激しい波をぶつけて「本当にこの堤防は壊れないだろうか」と実験を繰り返しているような状態と言えるかもしれません。
そうして何度も嵐をぶつけても壊れないことを見ることでしか、自分の傷つきやすい心を守るための安心感を得られなくなっているのです。
背景には、安心が長続きしなかった経験があることも多い
これほどまでに確かめずにはいられない背景には、これまでの人生のなかで、安心が長く続かなかった経験が隠されていることが少なくありません。
最初はとても優しかったのに途中で急に態度が変わってしまった経験や、信じてすべてを打ち明けた後に深く傷つけられた記憶があると、今の目の前にある「優しさ」を素直に受け取ることが難しくなってしまいます。
心が「優しさを受け取る=後で傷つくリスク」と捉えてしまい、傷つくくらいなら先に試して限界を見ておこうと、防衛システムが過剰に働いてしまっている状態なのです。
必要なのは、試さない完璧さより、不安に気づくことです
こうした心の癖を緩めていくために、急に完璧で物分かりの良い人になろうとする必要はありません。まずは、相手を試したくなる衝動が湧いた瞬間に、「あ、今、傷つくのが怖くて堤防を揺らそうとしているな」と自分自身の不安にそっと気づいてあげることです。
そして、相手を試するような言葉をぶつけてしまう前に、「いつも優しくしてくれてありがとう、実は少しだけ嬉しすぎて不安になっちゃうんだ」と、その不安をそのまま言葉にしてみることをお勧めします。
あるいは、ただ「ありがとう、嬉しいよ」と一言だけ伝えてみるのも良いステップです。
安心は、試すことではなく少しずつ受け取ることで育つ
本当にあなたが望んでいるのは、相手の我慢の限界をテストすることではなく、ただお互いに安心して繋がっていられる温かい関係ですね。
相手の懐の深さを試すことで安心を得る代わりに、今ここにある「大切にされている事実」を、まるで温かいスープを少しずつ口に運ぶように受け取る練習を重ねてみてください。
信じることには怖さが伴います。その怖さを抱えたまま、差し出された優しさを一歩ずつ受け入れてみるか、それともまだ自分を守るために慎重な距離を保ち続けるか、その進み具合はいつでもあなた自身が決めていいのです。