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本音がわからなくなるのは自然なこと
誰かと一緒にランチに行くとき、メニューを見ながら「なんでもいいよ、合わせるよ」と口にすることはありませんか。
あるいは、美容院で「特になんでもいいので、お任せで」と頼みながら、仕上がった鏡の中の自分を見て、なぜか言葉にできないモヤモヤを感じてしまう。
そんなふうに、自分の本当の気持ちややりたいことが分からなくなってしまう瞬間は、誰にでもあるものです。
何かしたいのか分からない自分に気づくと、まるで自分の感性が鈍くなってしまったように思えるかもしれません。
けれど、それは決してあなたが冷めていたり、怠けていたりするからではないのですね。
むしろ長い間、周りの人の気持ちを優先し、場の空気を壊さないようにと優しく配慮し続けてきた人ほど、自分の本音が見えにくくなりやすいのです。
他人の期待に応えることを優先しているうちに、自分の心の声を後ろに引っ込める癖が、いつの間にか当たり前になってしまっているだけなのです。
答えを急ぐより、違和感を拾う
もし今、自分の本音が分からなくなっているとしたら、大切なのは「早く答えを出すこと」ではありません。
本音を探す作業は、長い間使っていなかった古いラジオのチューニングを合わせるようなものです。
周囲の意見や「こうあるべき」という雑音が大きすぎると、最初は自分の微弱な電波がうまく受信できません。
まずは雑音のボリュームを少しだけ下げて、心の中にノイズのように生じる小さな「違和感」に耳を澄ましてみることが大切です。
「本当は何がしたいの?」と自分に問いかけても、すぐに言葉は出てこないかもしれません。
その代わりに、「なんだか心が重いな」「この人と話したあと、どっと疲れるな」という、体に現れる小さな違和感を見逃さないでいてほしいのです。
否定してきた小さな気持ちに気づく
本音は最初からきれいな言葉ではやってきません。
まずは「本当は少し嫌だったな」「本当は断りたかったな」という、これまで見過ごしてきた小さな不快感から姿を現します。
自分の本音を大切にすることは、わがままになることとは違います。
自分の本当の気持ちを知った上で、どう行動するかを自分で選べるようになるということです。
我慢するしか選択肢がない状態と、自分のしんどさを認めた上で「今回は引き受けよう」と決める状態では、心の負担はまるで変わってきます。
本音は丁寧に扱うほど見えてくる
やりたいことが今は分からなくても、焦る必要はまったくありません。
まずは日々の生活の中で、胸がざわついたりモヤっとしたりした瞬間に立ち止まり、頭の中で「ああ、今私はモヤモヤしているんだな」と、その感覚をただ認めてあげてください。
本音は、急かされると余計に心の奥深くへ隠れてしまいます。
けれど、あなたの小さな違和感を「大事な声」として丁寧に扱ってあげるほど、少しずつその姿を見せてくれるようになりますよ。
あなたの心の中にある大切な声を、ゆっくりと取り戻していきましょう。