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褒められてもなぜか苦しくなることはありませんか
お気に入りの新しい服を着て出かけた日、友人から「その服、すごくよく似合っているね!」と言われる。
本当なら嬉しいはずの場面なのに、なぜか心がざわざわと落ち着かなくなり、「いやいや、これネットの安物だし、ただ体型カバーしてるだけだから!」と、相手の言葉を打ち消すように言い訳を並べてしまったことはありませんか。
素直に「ありがとう」と言えずに全力で謙遜してしまい、後から少し気まずい空気が流れてしまったことに落ち込む瞬間もあるかもしれません。
「すごいね」「よくできているね」と褒められても、素直に喜べないどころか、どこか居心地の悪さや苦しさを感じてしまう。
こうした反応をしてしまうのは、決してあなたがひねくれていたり、感謝の気持ちが足りなかったりするからではありません。
自分の評価と外からの評価がつながっていない
褒め言葉を受け取れないとき、あなたの心の中では、自分自身に対する厳しい評価がしっかりと働いています。
「私はまだ全然できていない」「もっと完璧でなければいけない」という強い基準があるため、外から届く温かい評価と、自分の中の評価が大きくズレてしまうのです。
その結果、どれほど高い評価をもらっても、心の中にストレートに入ってこず、まるで他人の話を聞いているかのような違和感だけが残ってしまいます。
どれだけ頑張っても心が満たされず、さらに無理を重ねてしまうという苦しい循環が、そこから生まれているのですね。
受け取れない背景には、ずっと自分を厳しく見てきた歴史がある
褒め言葉を拒否してしまう癖は、これまでの人生の中で「できて当たり前」という環境に身を置いてきたり、欠点ばかりに目を向ける習慣を身につけてきたりした歴史から作られています。
失敗することを極度に恐れ、自分を守るために「自分を過小評価する」という盾を構えている状態とも言えます。
これまでの習慣だからこそ、今日明日で急に考え方を変えることは難しいのが当然です。
この褒め言葉を、私は「相手から差し出された温かいプレゼント」に例えて考えています。
誰かがあなたのことを思って選んでくれたプレゼントを、目の前で「私にはその価値はありませんから」と突き返してしまったら、差し出してくれた相手も少し寂しい気持ちになってしまいますよね。
プレゼントの中身が自分に本当に似合うかどうか、その価値があるのかどうかをその場で吟味しなくてもいいのです。
まずは「送ってくれたその気持ち」ごと、両手で優しく受け取ってみる。その姿勢こそが大切なのです。
まずは否定せずに一度止まることから
受け取る練習の第一歩として、自分の内側の評価を無理に変える必要はありません。
誰かに褒められたら、反射的に「そんなことないです!」と否定の言葉を口にしそうになるのを、ほんの1秒だけ飲み込んでみてください。
そして、ただ「ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです」とだけ、笑顔で返してみる。
心の中で「本当にそうなのかな」と疑問に思っていても構いません。
相手がそう感じて言葉を届けてくれたという事実を、否定せずにそのまま着地させてあげるのです。
認められることに慣れると、生きるのが少し楽になる
謙遜の言葉を飲み込んで受け取る練習は、決してわがままや甘えではありません。
過剰な自己否定の壁を少しずつゆるめ、自分を追い詰める努力の仕方を手放していくために必要な、とても大切なステップです。
最初は心から信じられなくても大丈夫です。
「そんなふうに私のことを見てくれる人もいるのだな」と、もらった言葉を机の上にそっと置いておくような気持ちで受け取ってみてください。
その小さな「受け取りの瞬間」が増えるほど、あなたを縛っていた厳しい基準が少しずつほどけて、もっと自由に、軽やかに毎日を過ごせるようになっていきますよ。